「5分待てば勝てた」なら、長い方がいい?
例えば、上方向に入ったあと、1分後には価格が入口を下回り、5分後には上へ戻ったとします。そのチャートを見れば、「1分では短すぎた。5分判定なら勝てたのに」と考えたくなるかもしれません。
でも、反対の動きだったらどうでしょう。1分後には上回っていたのに、5分後には下回った。今度は「早く終わっていればよかった」と感じそうです。
どちらも、後から見れば筋の通った話です。ただ、一つの場面で納得できることと、どちらが勝ちやすいかを判断できることは、分けて考えたいと思います。
私なら、まず同じ入口から二つの出口を見ます。サインも入る価格もそろえ、結果を見る時点だけを変える。そのうえで、待ったことで勝ちになった場面と、負けになった場面を一緒に並べてみたいところです。
5分判定にするなら、チャートも5分足?
「5分に変える」と聞くと、チャートを5分足へ切り替えるイメージが浮かぶかもしれません。ここは、少し立ち止まりたいところです。
チャートの時間足は、サインを探すための材料です。判定時間は、入ってからどの時点の価格で勝敗を決めるかという話。1分足で見つけた同じサインについて、1分後と5分後の結果を比べることはできます。
一方、1分判定には1分足のサイン、5分判定には5分足のサインを使うと、入口を選ぶ条件まで変わります。それぞれの方法を比べる意味はあっても、判定時間だけの差を知る比較からは離れます。
今回は、条件を見る時間足、銘柄、方向、サインの条件を共通にします。移動平均線を使うなら、その期間も同じです。片方だけに条件を足すと、差が出ても何が理由なのかを切り分けにくくなります。
同じサインでも、入る位置がずれたら?
入口をそろえるには、サインの名前が同じだけでは足りません。足の途中で入るのか、確定を待って入るのかでも、使う価格が変わるからです。
ここでは、ローソク足が確定した時点で条件を判断し、次の足の始値を入口にします。途中で条件がそろっていても、確定時には消えていたサインは対象にしません。
例えば1分足で、10時00分から10時01分までの足に条件が成立したとします。共通の入口は、10時01分に始まる足の始値です。1分判定には10時02分に終わる足の終値、5分判定には10時06分に終わる足の終値を使います。
同じ入口の記録に、二つの出口を添える形です。結果を見てから、片方だけ入る時刻をずらしたり、有利な価格に置き換えたりしないようにします。
なお、条件を見る足が5分足なら、確定後の次の5分足の始値で入り、5分判定はその入った足の終値で決めます。さらに次の足の始値とは別の価格です。また、途中の1分後も比べるには、その時点の価格を確認できる細かさのデータが必要になります。
待つ時間は、どちらの味方になるのか
値動きを仮に置いてみましょう。上方向に入り、入口を100とします。1分後が101、5分後が99なら、1分判定は勝ち、5分判定は負けです。逆に1分後が99、5分後が101なら、勝つのは5分判定になります。
入口も方向も同じなのに、結果は反対になる。判定時間を変えるとは、同じ値動きの別の場所で答えを出すことなのだと思います。
「5分あれば戻る時間がある」という見方はできます。ただ、その間に、有利だった価格が入口を割り込むことも考えられます。時間を長く取るだけで、望む方向へ動く理由が増えるわけではありません。
途中でどれほど上がったかも、判定結果とは別です。仮に2分後に大きく上がっていても、5分後に入口を下回れば、その5分判定は負けになります。チャートの目立つ山を見ているのか、決めた時点の価格を見ているのか。ここを分けるだけでも、印象に引っ張られにくくなります。
この例で説明できるのは、出口によって勝敗が分かれ得ることまでです。どちらの形が多いかは、仮の値動きからは分かりません。
合計が同じでも、中身まで同じとは限らない
比較するなら、私が勝率の横に置きたいのは、「1分だけ勝った入口」と「5分だけ勝った入口」です。待ったことで結果が変わった場所を、そのままたどれるからです。
もちろん、両方勝った入口も、両方勝てなかった入口も残します。差がついた場面だけを眺めていては、全体の中でどれくらいの割合を占めるのかが見えません。
入口と出口が同じ価格だった場合の扱いも共通にします。今回の集計では、同値は区別して記録し、勝率は同値を含む全判定数で勝ち数を割ります。同値は勝率・損益の評価では負けとして扱い、掛金全額の損失になります。
また、片方の出口が欠けている入口を、都合よく比較に加えないことも必要です。両方を確認できない記録は、共通の入口による比較から外すなど、先に扱いを決めておきます。除外した理由を残しておけば、後から見直すときにも迷いません。
よかった場面だけを残したくなったら
結果を並べるうちに、「この時間帯だけなら5分がよいのでは」と考えることはありそうです。それは新しい問いになります。ただ、最初からその条件で比べたのか、結果を見てから選んだのかは残しておきたいと思います。
好成績の時間帯や銘柄だけを選び直せば、その期間に合う条件へ近づいていきます。そこで見つけた差が、別の期間にも見られるかは、改めて調べる話です。
条件を変えたら、選ぶときに使わなかった期間で、入口と出口の決め方を変えずに比べる。そこで差が縮んだり逆転したりしても、その結果を含めて受け止めたいところです。
勝率には勝ち数と全判定数も添えます。数回の勝敗で大きく動く割合を、そのまま安定した特徴とは呼べません。回数だけでなく、期間や時間帯の偏りを見ることも必要です。近い時刻に出たサインが重なるなら、同じ値動きの影響を繰り返し数えていないかも気になります。
選ぶ前に、反対の場面も並べてみる
1分判定と5分判定のどちらが勝ちやすいかは、「長く待てる」「早く終わる」という説明だけでは決められません。同じサイン、同じ条件、同じ入口から、出口だけを変えて比べる。そこが今回の出発点です。
勝率に差が出た場合も、利益の大小まで同じ順になるとは限りません。受取倍率や掛金などの条件をそろえて見る必要があります。過去データで見つかった差も、将来の利益を保証するものではありません。
「もう少し待てば勝てた」と思うチャートには、分かりやすさがあります。だからこそ、待ったことで負けた入口も同じように並べてみる。私は、目についた一場面から答えを急ぐより、その両方を見られる比べ方を選びたいと思います。
※本記事はバイナリーオプションの検証方法についての考察であり、特定の手法の利益や将来の勝率を保証するものではありません。記事内の勝率や取引回数は、仕組みを説明するための仮定例です。
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