70を超えたら、そろそろ下がる?
RSIが70を超えている。買われすぎなら、そろそろ下がるのではないか。そんなつもりで見ているのに、価格はさらに上へ進む。まずは、こんな場面を想像してみてください。
70で早すぎるなら、80まで待てばよいのでしょうか。もっと外側の90なら、反転しやすい場面を選べるのでしょうか。
条件を厳しくすると、判断も確かになるように感じます。でも、待つ条件が厳しいことと、その後の方向を当てやすいことは同じでしょうか。
設定画面の数字を動かす前に、70・30が何を示す目安なのかを考えてみたいと思います。そこが曖昧なままでは、数字を変えても、何を待っているのか分からなくなってしまいます。
「買われすぎ」は、上昇終了の合図なのか
RSIは、価格変化の速さや大きさを捉える指標です。TradingViewの公式説明でも、一般的な水準として70と30が挙げられています。上側は買われすぎ、下側は売られすぎを見る目安です。
ただ、買われすぎという名前には、つい「もう上がらない」という意味まで読み込みたくなります。RSIが70を超えていても、それだけで次の足が下がるとは決まりません。上昇が続く可能性は残っています。
30を下回った場合も同じです。売られすぎだからといって、そこで下落が止まるとは限りません。値動きの偏りを見ることと、その偏りが終わる時点を当てることは、分けて考えたいところです。
では、70・30に根拠はないのでしょうか。私は、一般的な目安として使われることと、取引で最もよい成績になることを分けて捉えます。定番だという説明だけでは、どの銘柄や時間足でも最適だとは言えません。
80・20、90・10にすると何が変わるのか
同じ期間、同じ価格データから計算したRSIを使うなら、90以上の足は80以上にも70以上にも含まれます。下側も、10以下の足は20以下、30以下に含まれます。水準を外側へ動かすほど、条件に当てはまる足の範囲は狭くなります。
例えば、確定したRSIが76なら、70以上という条件には当てはまりますが、80以上には届きません。仮に86なら、70と80の条件を満たします。水準を変えるとは、まず、こうした場面の選び方を変えることです。
そこで気になるのが、より極端な値まで待つほうが有利なのか、という点でしょう。行きすぎた場面を選んだつもりでも、強い値動きが続く途中を選ぶ可能性があります。90という数字だけで、反転が近いとは判断できません。
条件に合う足が減ることと、取引回数が同じ割合で減ることも別です。条件を満たすたびに入るのか、初めて届いたときだけ入るのかで変わります。80・20や90・10は比較の候補ですが、外側にあるという理由で優劣はつけられません。
同じ70でも、待っている出来事が違う
仮に、確定足のRSIが68、72、75、69と進んだとします。「70以上なら下方向へ入る」という条件なら、72の足で最初に条件を満たします。「70を超えた後、70未満へ戻ったら入る」なら、69の足まで待つことになります。
どちらも「RSIの70で逆張り」と呼べそうです。でも、一方は水準への到達を、もう一方は内側へ戻る動きを待っています。数字が同じでも、入り方は同じではありません。
70では到達したら入り、80では戻るまで待って比べると、差が出ても何が理由なのか分かりにくくなります。水準を変えた影響と、待ち方を変えた影響が重なるからです。
私ならまず、「確定足のRSIが70以上なら、次の足の始値で下方向へ入る」と一文にします。5分足で5分判定なら、結果を見るのは入った足の終値です。足の途中で一瞬だけ70を超えた場面は、この条件には含めません。
70ちょうどを含めるのか。連続して条件を満たしたら毎回入るのか。細かく見えても、設定を比べる前に決めておきたい部分です。
水準を変えることと、RSIそのものを変えること
RSIの設定には、水準のほかに計算期間や適用価格もあります。70を80へ動かすのは、同じRSIから拾う場面を変えること。計算期間を変えるのは、判断に使うRSIそのものを変えることです。
例えば、期間14の70・30と、期間7の80・20を比べるとします。組み合わせとしての比較はできますが、結果の差を水準だけの効果として説明することはできません。期間も同時に変えているためです。
適用価格もそろえたいところです。終値を使う設定と、別の価格を使う設定では、計算の前提が異なります。画面に同じRSIという名前があっても、その中身までそろっているとは限りません。
私なら最初は、銘柄、時間足、計算期間、適用価格、入り方、判定までの時間をそろえ、水準だけを変えます。期間を変えたくなったら、次の比較に分ける。そのほうが、違いの理由を追いやすいと考えます。
高い勝率が出たときに、見ておきたいこと
比べる段階では、勝率だけでなく、その数字が何回の取引から出たのかも見たいところです。条件に合う場面が少ない設定では、一度の勝ち負けが数字に大きく響くことがあります。
仮定の例で考えると、20回中の勝ちが1回増えれば、勝率は5ポイント上がります。100回中の1回なら1ポイントです。同じ1回でも、全体の回数によって数字の動き方は違います。
いつ条件が出たかにも目を向けます。特定の日や時間帯に集中していれば、長い期間を対象にしていても、拾っている場面は偏っているかもしれません。回数だけ増やせば十分、とは考えないほうがよさそうです。
また、過去の結果を見ながら70を72、75、78と動かし続ければ、その期間に合う数字を探すことになります。選んだ設定は、選ぶときに使わなかった期間でも、条件を変えずに確かめたいと思います。
そこで結果が悪く、また数字を直したらどうでしょう。その期間も設定選びに使ったことになります。どこまでを調整に使うのかは、結果を見る前に区切っておく必要があります。
数字を変える前に、問いを一つ決める
そもそも、何をもって最適と呼ぶのでしょうか。勝率を重視するのか、取引機会を確保したいのか。条件が出るまで待てるかどうかも、使い方を考える材料になります。目的が曖昧だと、結果を見てから都合のよい評価を選びやすくなります。
利益を考えるなら、勝率に加えて払い戻し条件も必要です。過去データでよい結果が得られても、将来の利益を保証するものではありません。
私は、70・30を比較の出発点にするのがよいと考えます。80・20にすると何を待つのか。90・10ではどんな場面が残るのか。数字を動かすたびに、選び方の変化を言葉にしてみるのです。
設定を変える前に、「今回は何を確かめたいのか」を一つ書いてみてください。「なんとなく80のほうがよさそう」から一歩進んで、自分が待ちたい場面を考える。それが、定番の数字を自分のルールとして使うための出発点になると思います。
※本記事はバイナリーオプションの検証方法についての考察であり、特定の手法の利益や将来の勝率を保証するものではありません。記事内の勝率や取引回数は、仕組みを説明するための仮定例です。
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