夜のチャートは、昼間より勝ちやすそうに見える
夕食を終えてチャートを開くと、ローソク足が大きく伸びている。時計を見て「海外の市場が動く時間だからかな」と考える。そんな場面では、昼間より取引のチャンスが多そうに見えるかもしれません。
反対に、静かなチャートなら「この時間は値動きが落ち着いているから、逆張りしやすそう」と感じることもあるでしょう。同じ手法を使うなら、少しでも相性のよい時間を選びたいところです。
でも、動きが分かりやすく見えることと、実際に方向を当てやすいことは同じでしょうか。
大きく上がった足も、見つけたときには上昇が終わっているかもしれません。時計を手がかりにするなら、まず「よく動く時間」と「自分の条件で勝ちやすい時間」を分けて考えたいと思います。
東京・ロンドン・ニューヨークで何を見るか
東京時間、ロンドン時間、ニューヨーク時間という呼び方は、各地域の参加者が活動する時間を考える手がかりになります。為替市場が三つの会場に分かれ、順番に開場するという意味ではありません。活動する時間には重なりがあります。
東京なら日本やアジア、ロンドンなら欧州、ニューヨークなら米国。その地域の参加者やニュースに目を向けると、時間帯を調べる理由が少し具体的になります。参加者が変われば動き方も違うのではないか、という仮説です。
そこから「東京は逆張り向き」「ロンドンは順張りで勝てる」とまで言えるでしょうか。市場の名前だけでは、どの通貨を、どんな条件で売買するのかが抜けています。
例えば、円を含む通貨ペアと欧州の通貨同士を、同じ時間の区切りで比べるとします。同じ傾向になると決めてかかるより、それぞれについて調べるほうが筋が通ります。私ならまず、市場名より通貨ペアと入り方を見ます。
大きく動いたのに負けるのはなぜ?
仮に、上がると予想して入ったあと、価格が大きく上昇したとします。それでも判定時刻までに入口の価格より下へ戻れば負けです。途中の上昇幅だけを見て、その取引が有利だったとは言えません。
逆に、動きが小さくても、判定時に入口より上なら勝ちになります。この比較では、途中でどれだけ動いたかと、最後にどちら側にいたかは別の話です。
では、自分が狙っているのはどんな動きでしょうか。
勢いが続くことを狙うのか、行き過ぎた価格が戻ることを狙うのか。さらに、判定までどれくらい待つのか。同じ時間帯でも、そこが違えば調べる内容は変わります。「夜は動くから」という理由だけでは、取引条件とのつながりがまだ見えてきません。
日本の夜を調べるのか、現地の活動時間を調べるのか
時間帯を比べる前に、画面の時計が何を示しているかを確かめます。表示時刻を日本時間だと思って集計していたら、別の基準だった。これでは、調べたかった時間と結果表の時間がずれてしまいます。
夏時間と冬時間も、目的によって扱いが変わるところです。「日本で帰宅してから取引する時間」を知りたいのか、「ロンドンの現地時刻に合わせた時間」を知りたいのか。似ているようで、同じ比較ではありません。
例えば、ある現地時刻が日本時間の午後5時に当たる期間と、午後6時に当たる期間があるとします。一年を通じて日本時間の午後5時を集めれば、現地では異なる時刻をまとめることになります。
一方、毎日午後5時に画面を開く人にとっては、日本時間を固定した比較にも意味があります。どちらを選ぶにしても、その区切りで何を知りたいのかを先に決めたいところです。
現地の活動時間に合わせるなら、対象日の時差と夏時間の適用期間を地域ごとに調べます。ロンドンとニューヨークを一括して切り替えるのではなく、それぞれの日付に対応させれば、重なる時間も同じ基準で比べられます。
一番よかった時間を、あとから切り取っていないか
仮に、1時間ごとの成績を並べると、夜のある区間が一番よかったとします。開始を10分遅らせると、さらに数字が上がる。終わりを5分早めてもよくなる。こうして区切りを調整すると、魅力的な時間帯が見つかるかもしれません。
その時間には繰り返し現れる特徴があるのでしょうか。それとも、その期間の負けがうまく外れるように時計で囲んだだけでしょうか。
例えば、仮の成績として10回中7勝と100回中60勝があれば、勝率はそれぞれ70%と60%です。ただ、前者の数字が高いというだけで、その時間を選ぶ根拠が十分とは言えません。取引回数も、対象となった日も違うからです。
時間帯に加えて曜日や通貨ペアまで選び直せば、都合のよい組み合わせを探す余地は広がります。最後に残った勝率だけを見ても、そこへ至るまでに何通り試したかは分かりません。
私は、あとから見つけた時間は「次に確かめる候補」として扱うのがよいと考えます。見つけた直後に、これからも勝ちやすい時間だと受け取らないことです。
時間を選ぶ前に、比べ方を決めておく
比べるなら、通貨ペア、入る条件、判定までの長さをそろえ、時間の区切りを先に書いておきます。昼は逆張り、夜は順張りにするなら、時間と手法を組み合わせた比較です。結果の差を、時間だけの効果として読まないようにします。
入口と出口もそろえます。5分足・5分判定なら、直前に確定した足で条件を判断し、次の足の始値で入り、その入った足の終値で判定します。時間帯への分類には入った時刻を使うなど、境界をまたぐ取引の扱いも先に決めます。
結果表では、勝率と一緒に取引数を見ます。ここでの比較では同値も全取引数に含め、勝率と損益の評価では負けとして掛金全額の損失に数えます。同値を除いた勝率とは、そのまま比較できません。収支を見る場合は、払い戻し条件も必要です。
そして、時間帯を選ぶ期間と、選んだ条件を確かめる期間を分けます。後の期間を見て区切りを直せば、その期間も条件選びに使ったことになります。修正したなら、また別の期間で確かめる。よい数字が出るまで同じ資料を使い直さないための工夫です。
時計に、勝つ理由まで預けない
「何時なら勝ちやすいのか」と考えると、一つの時刻を知りたくなります。ただ、時間帯によって動き方が異なり得ることと、自分の取引条件で勝ちやすいことの間には、まだ確かめる部分が残っています。
次にチャートを開いたら、「今は動きそうか」に加えて、「なぜこの時間を選んだのか」と問いかけてみる。生活上の都合なのか、狙う動きがあるのか、過去のよい数字に引かれたのか。それによって、次に調べることも変わるはずです。
過去に時間帯ごとの差が見つかっても、将来の利益は保証されません。私なら、一位の時間を急いで決めるより、その時間を選んだ理由と選び方を説明できるところから始めます。
※本記事はバイナリーオプションの検証方法についての考察であり、特定の手法の利益や将来の勝率を保証するものではありません。記事内の勝率や取引回数は、仕組みを説明するための仮定例です。
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