上がっているなら、上を選べばいい?
チャートが勢いよく上がっている。「このまま上へ進みそう」と思う人もいれば、「そろそろ下がるのでは」と考える人もいる。同じ値動きなのに、選びたい方向は分かれます。
流れについていく順張りと、戻りを狙う逆張り。どちらの考えにも理由はあります。でも、その理由は、判定までの短い時間にも当てはまるのでしょうか。
例えば、上昇の途中で少し下がり、その後また高値を更新する場面を想像してみてください。上昇を見込んでいても、途中の下落で判定を迎えれば負けになる場合があります。チャート全体を見て方向が合っていたことと、決めた時刻に勝つことは別なのです。
トレンドの向きと、次の5分の向き
順張りは、基準にした値動きと同じ方向を選ぶ方法です。上昇なら上、下落なら下。逆張りは、その動きが戻ると考えて反対方向を選びます。まず決めたいのは、何を見て上昇や下落と判断するかです。
仮に、高値と安値を切り上げながら進む相場を考えます。順張りで上を選ぶなら、上昇の継続を期待しているのでしょう。逆張りで下を選ぶなら、直前の上昇がいったん落ち着くと考えられます。
ただ、戻りが起きるとしても、それがいつなのかは別の問いです。入った直後に下がるのか、もう一段上がってから下がるのか。それによって、同じ5分判定でも結果は変わります。
私なら、「トレンドだから順張り」と決める前に、入口と判定時刻を見ます。大きな流れの説明だけでは、その間の値動きまで説明したことにはならないからです。
レンジの端は、今回も折り返すのか
ある価格帯を行き来するレンジ相場では、上限付近で下、下限付近で上を選ぶ逆張りが思い浮かびます。何度か同じ場所で止まっていれば、「今回も戻りそう」と考えたくなるところです。
でも、過去に止まった価格が、次も壁になるとは限りません。仮に上限へ近づいた価格が、そのまま外へ進んだらどうでしょう。戻りを待っている間に、判定時刻を迎えるかもしれません。
それなら、範囲を抜けたところで順張りすればよいのか。ここにも迷う場面があります。抜けたように見えた後、入った途端に範囲内へ戻る展開も考えられるからです。
比べるときは、合図が出る前の値動きから上限と下限を決めます。後から線を引き直せば、折り返した場所に合わせられてしまいます。「当時もその線を引けたか」と問い直すと、見た目の分かりやすさから少し距離を置けます。
同じ場所から入り、方向だけを変える
順張りと逆張りの違いを比べたいなら、同じ合図で方向だけを反対にする方法があります。例えば、「確定した足の終値が、その一本前の足の高値を上回った」を仮の合図にします。
その合図に対して、上を選ぶ順張りと、下を選ぶ逆張りを一組にするわけです。これは比べ方を説明するための例で、この合図なら勝ちやすいという意味ではありません。
入る時刻もそろえます。足が確定して条件を満たしたら、次の足の始値を両方の入口にします。5分足で5分判定なら、入った5分足の終値が出口です。さらに次の足の始値を使うと、比べる価格が変わってしまいます。
例えば、仮に入口が150.000、出口が150.010なら、上方向が勝ち、下方向が負けです。途中で大きく下がっていても、この比較で見るのは共通の入口と出口になります。
片方だけ少し待って入ったり、都合のよい合図を除いたりすると、方向以外の違いが混ざります。合図の時刻と二つの価格を対応させ、同じ対象・期間で比べる。まずはそこをそろえたいと思います。
なお、この方法で分かるのは、選んだ合図に対してどちらの方向がどうなったかです。入口の作り方まで異なる順張り手法と逆張り手法のすべてを、この一つの比較で評価できるわけではありません。
反対にすれば、負けは全部勝ちになる?
同じ入口と出口なら、一方の負けを反対側の勝ちに置き換えればよさそうに見えます。価格が上がった場合と下がった場合には、その関係が成り立ちます。ただ、入口と出口が同じ価格になる場合が残ります。
例えば、仮に100組のうち、出口が高かったものが54組、低かったものが42組、同値が4組だったとします。上方向の勝率は54%、下方向は42%。合計は96%です。
残りの4%はどこへ行ったのでしょうか。同値の4組では、上にも下にも勝ちをつけていないのです。
ここでは、同値も全体の件数に含めて勝率を計算し、損益では掛金全額を失う扱いにします。同値を別に記録していても、返金や損益ゼロという意味にはなりません。
したがって、同値があれば両方向の勝率の合計は100%を下回ります。片方の勝率を100%から引くだけでは、もう片方の勝率は求められません。勝ち、同値を除く負け、同値を分けて数える必要があります。
相場の名前を、後からつけていないか
同じ合図を比べたうえで、トレンドと判断した場面、レンジと判断した場面に分ければ、それぞれの中で違いを調べられます。全体の数字だけでは見えなかった偏りを探るためです。
ただし、「その後よく上がったから上昇トレンドだった」と分類すると、入口では分からなかった情報を使うことになります。
仮に直近の高値と安値の並びで分類するなら、何本を見るか、どんな並びをトレンドと呼ぶかを先に決めます。はっきりしない場面は保留にしてもよいでしょう。無理にどちらかへ入れる必要はありません。
私なら、分類を細かくしすぎる前に、大まかな条件で比べます。結果に合わせて時間帯や指標を足し続けると、都合のよい場面だけを残しかねません。条件を変えたら別に集計し、その条件を考えるために使っていない期間でも調べたいところです。
どちら派かより、何を比べたか
同じ件数、同じ掛金、同じ受取倍率で比べるなら、勝ちが多い側ほど損益は高くなります。ただし、比較で上回ることと、利益が出ることは別です。両方とも損失になり、その中で差がつく場合もあります。
数字を見るなら、まず入口と出口がそろっているか。次に、同値を含めて数えているか。そのうえで、相場の分類や期間によって違いがどう変わるかを見ます。
順張りか逆張りかを、先に決めなくてもよいと私は考えます。目の前の合図で期待するのは、流れの継続なのか、一時的な戻りなのか。そして、いつ判定するのか。そこまで具体的にして、ようやく二つを比べる問いになります。
過去のデータで差が見つかったとしても、将来の利益が保証されるわけではありません。「相場次第」で話を終えるより、同じ場面を反対方向から見る。そのほうが、選ぶ理由を一つずつ確かめていけそうです。
※本記事はバイナリーオプションの検証方法についての考察であり、特定の手法の利益や将来の勝率を保証するものではありません。記事内の勝率や取引回数は、仕組みを説明するための仮定例です。
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